fc2ブログ

高校無償化法案問題について

高校無償化法案を朝鮮高校に適用するのは是か?非か?

今となっては日本中の誰もが注目しているこの話題。
僕は、去年大学を卒業してから数多くの心優しい日本人の方々とも関わりを持てるようになりました。
そして、中には”在日”に対して関心を抱いて下さり、”在日”について知ろうとして下さる方々もいました。
今回のエントリーでは、TwitterやGREEなどを通じて頂いた質問に回答する意味も含めて、この議題に関する記事を書こうと思います。

※前提として、政治的観点が混入すると主張者の解釈なのか、事実なのかが判断できず、議論が無意味なものになってしまう恐れがあるので、出来るだけ客観的ファクトベースで述べようと思います。

1.高校無償化法案とは?
2009年3月25日、民主党が「高校無償化法案」および学校教育力の向上3法案を参議院に提出したのが事の始まり。
正式名称は、「国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案(以下、高校無償化法案)」
法案は制度の目的を、高校において「教育にかかる経済的負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与する」と明記し、教育の機会平等を定めた教育基本法の精神に則った法案である事を示唆しています。 http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010011201001082.html

2.適用対象範囲はどうなっているの?
政府は2010年1月29日、公立高校では授業料を徴収せず、私立高校生には、世帯の所得に応じて年約12万~同24万円の就学支援金を助成する高校の実質無償化法案を閣議決定しました。また、閣議決定された高校無償化法案では「高校と同等」とみなされる各種学校の生徒には、私立高生と同様に年額約12万円の「就学支援金」を支給すると明記しました。

3.そもそも各種学校とは何?
各種学校(かくしゅがっこう)とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)の第134条に基づいて、「学校教育法の第1条に規定される学校」(1条校)以外で、学校教育に類する教育を行うもので、所定の要件を満たす教育施設のことである。(Wikipedia参照)例えば、料理学校、裁縫学校、自動車学校のような類から、インターナショナルスクール、韓国学園、中華学校、朝鮮学校などもこれに属します。

4.結局、高校無償化法案の解釈では朝鮮学校は適用されるの?
衆院で審議中の関連法案は、朝鮮学校を含む「各種学校」は、「高校の課程に類する課程を置くもの」に限って無償化対象とすると規定しています。従って、上述した各種学校のうち料理学校、裁縫学校、自動車学校のような類の学校はカリキュラムに類似性が見られないので対象外です。しかし、インターナショナルスクール、韓国学園、中華学校、朝鮮学校の類の学校は、国語や算数、理科、体育などの教育法に準ずるカリキュラムが整っている為、解釈からすると法案適用対象になるのです。
しかし、現実は数多く存在する「高校の課程に類する課程を置く各種学校」のうち、朝鮮学校だけが対象外になろうとしているのです。多くの方々が誤解をされているかもしれないので、もう一度明記しておきますが、インターナショナルスクール、韓国学園、中華学校といった多くの「高校の課程に類する課程を置く各種学校」のうち、朝鮮学校だけが適用対象外にされようとしているのです。

5.じゃぁ朝鮮学校だけを適用対象外にする根拠は何なの?
ネットを含めたメディアでは、北朝鮮との国交が無い事から教育内容を確認出来ない、反日教育を行っている学校に援助する必要は無い、などの様々な発言が飛び交っていますが、これに限って言うならば明確な事実がありません。
ファクトベースで書こうと試みると、「この質問の答は在りません」が答えになります。上述した事実を前提に、「朝鮮高校を適用対象外とする」といった結論を導く論理的根拠は、今のところ無いのが事実です。

終わりに
”朝鮮””在日”を取り巻く問題の多くは、政治的視点あるいは、個人的感情が介入し何が事実で何が仮説、意見なのかがわからなくなってしまいます。なので、今回僕はあえて感情を介入させる事無く、客観的視点からの事実を整理してみる事にしました。この問題を国際人権(自由権・社会権)規約、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約などに絡める事は出来るかもしれませんが、今回のエントリーでは事実を明確にする事を目的としているので、この先をどう思い、どう判断するかは人それぞれです。
ただ、最後にもう一つだけ事実を述べておこうと思います。

大人たちが事実無根の議論を交わしている間、当の当事者である朝鮮学校の生徒達は貴重な勉強時間、青春の時間を割いてまでして署名運動や、反対運動を余儀なくされています。
この事実を知った上で、高校無償化法案の目的である「教育の機会平等」という文言を再見すると、教育基本法の精神に反するのでは無いかと思う次第であるという事を、最後にただ一つの自身の意見として明記したいと思います。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。

プロフィール

姜 大成

Author:姜 大成
姜 大成 / Daesong kang 1987年生まれ
株式会社ビズリンク 代表取締役
ITプロ人材のマッチングプラットフォーム"Bizlink" : http://bizlink.io/
株式会社ビズリンク HP : http://growther.co.jp/
未来の働く"あたりまえ"を創る
売上100億の会社を100個つくる

大学に入るまで一冊も本を読了したことが無いほどの勉強嫌いから、不治の病にかかり入院生活を送った経験、家業の突然の衰退をキッカケに一転して勉学に目覚め、大学時代には3ヶ月間独学で「宅建」を取得し、年間一大行事の論文大会では大学創立以来初の年間3回論文賞受賞を達成。

大学卒業後、某銀行に入社。その間、リーマンショックの煽りを受け、父親の経営する会社が倒産をし、日中は銀行員として融資先の借金返済を迫り、自宅に帰ると借金取りに自宅を囲われる生活を送る。その際に家族が殆どの財産を失う経験をし、銀行の機能では中小企業を救えないことを身をもって経験。

中小企業の倒産をアドバイザーという立ち位置で救いたい一心で、人材大手インテリジェンスの顧問事業立ち上げに営業兼コンサルタントとして参画。年間200社の経営者を新規訪問し、経営改善をするため顧問の活用を提案。入社4ヶ月目には初のトップセールス→2年目後半からは売上トップを維持→最年少リーダー兼ボードメンバーへの参画を担う。インテリジェンス社員5,000名強の内、トップ20名のみが参加可能な海外研修にも選抜。

2015年5月にインテリジェンスを退職し、株式会社Growtherを創業。2019年株式会社ビズリンクに社名変更

生まれた世代所得によって人生のほとんどが決まってしまう世界から、所得に関係なく機会をつかめる世界、本当の成長を喜び、幸せに感じられる社会を目指して、事業を推進しております。

最新記事

検索フォーム