2年前の夏、引っ越し業者すら使わずに、実家の車と自分の体一つで引っ越しをしました。当時の実家から僕の家までは車で20分程度の距離にあったので、1人で車に入れては降ろしてを4回ほど繰り返し、どうにかこうにか1人暮らしをスタートさせました。
当時、引っ越しをした大きな理由は、家庭環境が悪化していく最中にも関わらず、内心は親に甘えている自分に気付き、退路を断って自立をし、早急に家庭を守れる程度の収入を得られるようになろうと考えたからでした。
しかしその頃、年功序列制度の強い在日コリアンを対象とした金融機関に、社会還元の想いで勤めていた僕の収入はスズメの涙程度。まさに貯金を食いつぶしながらの生活がスタートしました。その当時、固定費の支出でほとんどの収入が消えていたため、エンゲル係数は凄まじい数字を叩き出していたことは、笑い話の一つ。
とにかく節制をしようと考え、ご飯はすべて自炊でお昼に具なしのうどんに伊藤園のお吸い物をまぶしたものをパックに詰めて持っていき、飲み物は会社のお茶で賄い、交通費を節制しようと3駅ほどの距離(片道30分)を毎日歩いて通っていました。
冷たい風の吹く冬の夜、空腹な状態で帰路につく僕は、毎日心の中で必ず這い上がり、将来今日のこの瞬間をよき思い出として語れるようになろうと歯を食いしばりながら心の中で叫んでいました。
そして2012年1月。遂に貯金も底をつき、八方塞がりで途方に暮れていたころ、現在の会社の社長と出会い、本当に運に恵まれて転職するに至りました。
今ではすっかりうどんにも具を入れるようになり、電車にも乗れるようになり、エンゲル係数も正常値になったと思います。しかし、思いや気持ちは当時となんら変わりはありません。
まだまだ目標としている水準には遠く及びません。
学べる機会があり、仕事のできる機会、挑戦できる機会があるだけで、世の中の同世代の人間の中でもかなり裕福な環境にいるはずです。与えられた機会を最大限に活用し、常に最大のパフォーマンスを発揮していけば、自ずと目標は達成することができ、家族も守れるはずです。
引っ越しを機に、今一度ふんどしを締めなおして、頑張っていこうと思います。
そして、また最高に美味しい具なしうどんを食べたいです。
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